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2007/10/23

”政治”の話

前々回の更新で”テロとの戦い”について書きましたが、政府部内では”テロとの戦い”とはアフガニスタンでのテロ組織との戦いを指しているようです。フツーに世界地図をひろげてみると、インド洋での給油活動がインド洋と目と鼻の先のアメリカと今は同盟しているパキスタンに入港する艦船にとって意味のあることなのか疑問が浮かびます。ペルシャ湾などの湾岸地域に向かう艦船に給油を行った方がメリットが大きいのはパソコンの戦争シミュレーションゲームをやってみれば明らかなことです。米軍側から見れば当然イラク行きの艦船に転用することは織り込み済みだったというのが私の推論です。給油量もトップには伝わらない形式で(実際はどうか分かりませんが)、ごまかしていた(?!)ということになっているようですが、そのうち転用の密約でも出てくるのではと思います。私個人としては、給油活動に費やされた我々の税金の額がどの程度か知りたいところです。アフガンにしてもイラクにしても現在の米軍を中心とした活動の意味は不分明だと思います。
最近の日本社会の格差増大が、小泉改革以来言われていて、何冊かこのテーマの書物を読んでいます。現在も進行中ですが小泉改革以前から格差化が始まっていたという論点もあるようです。このままの状態が続けば、終身雇用というシステムは無くなり、ごく普通の大企業でも契約社員や非正規雇用の社員(といえるかわかりませんが)がどんどん増えていくと思われます。非正規雇用社員の中で競争させて、優秀な社員を正規雇用するというやり方をすれば雇用する側にとっては非常にメリットがありますが、雇われる側は非常に過酷な条件に置かれることが予想されます。現在のアメリカのシステムがこれに近いのです。一般的な会社員とは異なりますが、アメリカでのチップを貰っている職種の人たちは殆ど非正規雇用でチップの収入が殆どで、何か問題を起こすとすぐにクビになります。こういう職種はアメリカでは、有色人種や不法移民のヒスパニック系が多く社会構成からこういう人々に負っているところが大きいのです。また、日本とアメリカの違いは労働時間の長さです。現在でも日本の給与所得者の労働時間は先進7カ国では最長だと思います。アメリカでも日本よりは休暇は長く午後5時以降働いている人は少ないです。ヨーロッパは5時以降・休日に働いている人は殆どいなくて休日は商店もお休みで日本の正月のような状態になります。正規雇用の割合が少ない状況で今の長時間労働がつづけば、働く側にとってより過酷な状況が起こると予想されます。80年代後半には大多数の人が”中流”と感じていた日本の社会で、これからの改革の先に明るい未来があるのはほんの一握りの人たちで大多数の市民はその恩恵にあずかることは出来ない社会になりそうな気がします。
世の中が改革で進んでいる間にも変わらないのが公務員すなわち”官”の世界です。今でも公務員は基本的には犯罪でも犯さない限りクビにはなりません。という私も5年前まで大学という公務員の世界にいました。公務員の世界は、警察官が鹿児島の選挙違反や富山のえん罪事件のようなとんでもない取り調べをしても、実際に犯罪を立証されなければ、職を失うことはありません。問題があると肩たたきをされて自分で辞職という形式をとります。先日の防衛省の次官も退職するときは辞職願を書いているはずで、退職金も規定通り支払われるのです。”ゆとり教育”(これ自体は私個人は賛成ですが)なんてものを考え出した官僚もその失策で降格や処分受けたりということは絶対にないのが公務員の世界です。政治家もこのシステムを変えるのは無理と分かっているから”民営化”なのかもしれません。
医療の世界の問題で後続医薬品=外来語でジェネリック医薬品というのがあります。製造特許の期間が終わった医薬品を、開発したメーカー以外の会社が安価に製造して販売しているものを言います。建前は同じ薬が安く患者さんには手に入るというわけで、厚生労働省も医療費節約の観点から大々的に宣伝していましたが、最近あまりCMをやらなくなりました。理由は開発メーカーが製造した正規品と後続医薬品の効果が必ずしも同じではないというクレームが出てきているからです。厚労省は今頃になって後続品メーカーの立ち入り検査などチェックを厳しくすると言う話が出ています。それ自体は良いことですが、本来これは後続医薬品が市販される前にきちんとやっておくべきことではないでしょうか。日本のお役所は許認可については熱心ですすが(利権が絡むからもあるでしょうが)事後のチェックはあまりにも杜撰で、食品の賞味期限改ざんの問題も役所の責任が大きいと感じます。
今日は腹の立つことばかり書いてしまいましたので、次回はJazzの話を書きます。


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