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2008/10/22

医師不足

しばらく、日記更新をさぼってしまいました。

札幌にいる妹が、婦人科系の病気になりました。6月の中旬に分かったのですが、6月末から4回ほど週末を利用して、様子を見に行っています。飛行機を利用するのですが、仙台空港線の不便さには閉口します。夜遅い時間帯など1時間に2便しかないので、他の交通機関を使うことが多いです。それに比べると、新千歳空港と札幌を結ぶ「エアポート」は便数も多く、しかも指定席があり便利です。仙台の場合特に土日などの空港行きの便は、空港以外の場所に行く客が多く乗っているため、飛行機を利用するために大きな荷物を持ってきた人が座れなかったり、荷物を置く場所が無かったりします。仙台空港への引き込み線は単線なので、山の中の鉄道のように駅での待ち合わせが有ったりして急いでいるときはいらいらします。人口100万の都市としてはお粗末としか言いようが有りません。現状では、初めて仙台空港を訪れ、空港線を利用した人は、なんて田舎のしょぼい鉄道と思うだろうと思います。

今朝のニュースで東京都内の病院で周産期の母親が何件かの病院に受け入れを断られたケースが報道されていました。以前、奈良県で同様のケースがありましたが、首都の真ん中でも同じようなケースが起こったことで、医師不足の深刻さが分かると思います。国際的に見ても、日本の人口当たりの医師数はすべての国々の中で最低の部類に入ります。また、医療費削減と称して診療報酬(医療行為をしたことによって病院に入る収入)をどんどん下げていますが、国民総生産の中での医療費の比率はこれも先進国の中で最低です。社会保障費を2200億円削減する方針を出したのは小泉純一郎ですが、医療崩壊の元凶はこの人です。今回のケースで東京都は受け入れを断った各病院の事情を聞くそうですが、事情を聞いたところで何の解決にもなりません。病院側には多くの医師を雇う余裕もないし、供給する大学にも特に産科や小児科には派遣する人材も居ません。
医師側の政治的な問題を扱っているのは日本医師会ですが、現状の病院の医師不足を放置してきた責任は、医師会にもあります。現在の医師会は勤務医の会員が少なく、大変な仕事をしている勤務医の利害を代表していません。病院経営に余裕があった時代は勤務医の医師会費を病院が払ってくれていたのですが、病院が払えない状況に追い込まれ、退会してしまう勤務医が多いからです。最近になって、勤務医の会議などを持つようになりましたが、基本的には開業医主体の団体で、病院の現状を把握していても有効な対策をとっていません。現在の枠組みの中での診療報酬の改定作業は結局は財政的な限界に押し切られ、実質的に報酬の切り下げ続いていくだけで、多少の上げ下げはあっても絶望的な状況に変わりはありません。今後も病院を辞めていく医師は増え続け、病院の重症救急患者の受け入れはますます困難になっていくと思います。

この前にこの日記を更新した頃は、まだ総理大臣は福田康夫氏でしたが、さぼっているうちに総理大臣も替わってしましました。すぐに選挙が有るのかと思っていたら、何だかぐずぐずしています。小泉以後の安倍、福田とも就任時の支持率が最も高く以後は下がってくるのが最近の傾向です。まして、アメリカに発した株の暴落、後期高齢者医療、年金問題などこれから良い材料など出てくる見込みは全くないように思います。小泉氏は「早く解散した方が良かった」と発言したそうですが、こういう感だけは正しいと思います。

麻生氏については個人的には一国の首相にはふさわしくない人だと思っています。詳しい事情は自民党総裁就任時に一部の週刊誌にも掲載されましたが、以前から取りざたされていた問題の差別発言は事実だったようです。だとすると国会議員たる資格もありません。

こうして、書き出すと雑談的に書き続けてしまいますので、今日はこれくらいにしておきます。今年はノーベル賞受賞者が沢山出ました。研究についても元研究者として現在の研究の問題点について書きたいことがありますが、次回にします。



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